【角頭歩戦法】後手角交換拒否の指し方～持久戦～②
前回の記事で後手角交換拒否で持久戦模様にした時はミレニアムに囲って固さで優る将棋となることが分かった。
今回はミレニアムを防いで前回記事図3で△４五歩を突いてきたときの指し方について研究する。
【図3から△４五歩とした場合】
前回記事図3では▲３六歩はミレニアムへの合図。これを見て後手△４五歩として、ミレニアムに組めば桂頭を攻めるようにするのが狙い。この時はミレニアムはあきらめた方が良い。
図3から、△４五歩▲３七桂△６六角▲同歩△３三桂▲４八金△５二金▲４五桂△同桂▲４六歩(図11)
先手は金無双に囲ってから４五の歩を取りに行く。一瞬桂損だが▲４六歩から桂を取り返せる。４五の歩は伸ばしすぎて狙いやすくなる。逆に言えば後手銀などで位を確保する前に仕掛けた方が良い。
図11から、△７五歩▲４七金△３三角打▲４五歩△６六角▲７八飛△７六歩▲７四歩打△４六歩打(図12)
途中△７五歩に対し▲同歩は△７六桂があるため取れない。後手は７七の桂を狙ってくるが７三の後手桂頭も薄いため▲７四歩打から反撃する。
図12から、▲同金△５四桂打▲５五金△７七歩成▲同銀△４八角成▲同銀△６七金打▲７九飛(図13)
途中▲５五金に代わって▲４七金も有力。ここでは角を取りに行く▲５五金とした。逃げ場の無い後手角は切るしかない。
図13から、△４六桂▲２八玉△７七金▲７三歩成△６八金▲７四飛△２五桂打▲６二と△同飛▲３七桂打(図14)
後手△４六桂と跳ねても攻めは続かない。△７七金と銀を補充するが、桂と銀だけでは決め手に欠ける。金を寄せるには手数がかかり、その間に先手の飛車が働いてくる。図14は先手玉は寄らない形。後手玉はまだ固いが先手持ち駒が多く、一度先手の攻めに回れば後手玉はすぐに潰れる。
図14から、△５八金▲４四角打△３八桂成▲同玉△４八金▲同玉△３七桂成▲同玉△２五桂打▲４七玉(図15)
図14から▲４四角打～▲２五桂とされては先手玉に逃げられつつ、後手玉がすぐに寄ってしまうので無理矢理攻めるが当然銀桂だけでは先手玉は寄らない。
図11から、後手飛車やはり後手飛車が働いていないことがわかる。先手▲８六歩により後手歩の位置が８四となり、８筋から攻めるには遅くなり飛車が参戦できないため後手の攻めに迫力がなくなる。
【まとめ】
後手角交換拒否＋ミレニアムを防いで△４五歩とする指し方は下記の点を抑えて先手が指せます。
・後手△４五歩を伸ばした場合ミレニアムは諦め金無双に組む。
・後手△４五歩が浮いているため標的となる。銀などで支える前に仕掛けていく。
・▲８六歩+▲７七桂が後手飛車先をとめており、後手飛車が参戦していない。
・７七の桂頭は弱点になるが後手の７三桂頭も薄くなるため逆襲ができる。
おわり
