【角頭歩戦法】対振り飛車～対三間飛車～
前回の記事では後手角交換拒否～四間飛車に対する先手の指し方を研究し、銀冠穴熊に組めれば固さで先手が有利になることがわかりました。
対振り飛車①～対四間飛車～ - ネット将棋で勝つ角頭歩の研究
今回の記事では前回記事図2から後手が△３二飛と三間飛車に振ってきたときの指し方を研究します。
【後手三間飛車に対する指し方】
前回記事図2より、△３二飛(図1)
図1から、▲４八銀△６二玉▲７八金△７二銀▲６九玉△７一玉▲７九玉△５一角▲５六歩△５二金▲８八玉(図2)
後手が三間飛車でも先手は先ず銀冠を目指す。三間飛車の場合△５一角から石田流に組み替える指し方がある。もし後手が石田流に組み替えずノーマル三間のまま銀冠を目指す場合は四間飛車と同じく先手は銀冠穴熊を目指して固さで勝てる将棋になる。
今回後手は△７一玉まで入り石田流に組む指し方をする。
図2から、△３五歩▲４六歩△３四飛▲４七銀△６四歩▲４八金△８二玉▲２五歩△３三桂▲５五歩△７四歩▲５六銀(図3)
後手が石田流に組み替えた時は右金を囲いにつけず右辺で後手飛車先を受けるように進めていく。△３三桂と上がれば後手は次に△５四銀と上がる狙い。それを阻止して▲５五歩と位を取る。
図3から、△５四歩▲同 歩△同 銀▲４七金△６五歩▲７七角△８四角▲３八飛△２四歩▲５五銀(図4)
先手金を繰り出していくのが狙い。石田流に対しては銀と金で飛車を圧迫していく指し方が有効。最後▲５五銀に代わって▲２五歩～▲５五歩～▲６五銀で中央から殺到する攻めもある。
図4から、△４五歩▲５六金△６三金▲８五歩△７三角▲５四銀△同 飛▲６五金△５七飛成▲３三角成(図5)
当然後手が５五の銀を取れば▲同角△７三角▲同角△同桂▲２三角打がある。よって後手は５五の銀をとれずに５筋に備える。その間に先手は金を繰り出し、角を追い払ってから▲５四銀ととる。先手右金が４八から６五まで移動できれば攻めに参加し不満のない局面になる。
図5から、△４六角▲８六桂打△６九銀打▲８四歩△７八銀成▲同飛△６七龍▲７四桂△９二玉▲６四歩打(図6)
先手狙うは美濃の急所７四の地点。控えて打つ桂馬に後手は攻めあう。▲８四歩に△同歩であれば、将来▲８三歩打～▲８五歩打で銀や玉を吊り上げる手がある。△７八銀成は▲同飛と取っておけば遊んでいた飛車を活用できる。△６七龍に対して６五の金を取られては先手の攻めは切れてしまうので▲７四桂～▲６四歩打と金を取らせる暇を与えない。
図6から、△７三金▲９五歩△７九金打▲７七桂△６五龍▲同 桂△７八金▲同 銀△８五飛打▲８七金打(図7)
端玉には端歩の格言通り▲９五歩、これを△同歩では▲９三歩打で△同桂は▲９四歩で、△同玉は▲８二銀打で先手が勝てる。△７九金打に▲９四歩などは△８九金から、▲同玉は△８七龍、▲９八玉も△９七歩～△９六歩の連打から△６五龍と金をとられ先手玉は囲いから外され逆転する。▲７七桂は△８七龍を消した手。後手は先手の金、飛車を外してくる。狙いは７四の桂を外すこと。
図7から、△７四金▲１一馬△６八角成▲７七銀打△９六桂打▲同 香△９八金打▲同 玉△７八馬▲８六香打△６五飛(図8)
後手７四の桂を外せるが攻めが切れてきている。先手は焦って寄せに行かず後手の大駒を追い払っていけばよい。
図8から、▲８八金打△６七飛成▲６六馬△８五桂打▲６七馬△同馬▲８五香△同金▲８六銀打△同金▲同銀△７四銀打 (図9)
後手の大駒の攻めは先手金銀で固めて攻めが続かない。馬を引きつけ後手の龍を取った図9では先手の陣形を崩す手はなく、後手は玉頭の歩から攻めていけば勝てる。
【対三間飛車まとめ】
・後手三間飛車に対して先ずは銀冠に囲う。
・後手ノーマル三間飛車のまま銀冠へ囲いを進めた場合は先手銀冠穴熊を目指す。
・後手が石田流に組み替えた時は右金は▲４八金と後手の飛車先を受けるように指す。
・△５四銀と上がれないよう▲５五歩の位を取り、金も繰り出していく。
次回は対向かい飛車の指し方を研究します。
おわり
