【角頭歩戦法】対振り飛車～対中飛車～
前回の記事では対向かい飛車の指し方を研究しました。
対振り飛車～対向かい飛車～② - ネット将棋で勝つ角頭歩の研究
【後手中飛車】
対振り飛車編の基本図から△５二飛(図1)
本記事ではあくまで角交換拒否からの振り飛車を目指すのでゴキゲン中飛車ではなく角道を止める中飛車に対する指し方になります。
図1から、▲７八金△６二玉▲６八玉△７二銀▲７九玉△７一玉▲８八玉△８二玉(図2)
後手振り飛車であればどこに飛車を振ろうと先手は銀冠の陣形を目指します。
図2から、 ▲４八銀△５四歩▲５六歩△３二金▲５七銀△５一飛▲７七角△４五歩▲６六銀(図3)
後手の△５四歩をみたら▲５六歩と位を取らせないようにします。後手に位を取らせると後手銀が進出しやすくなり、逆に位を取らせなければ後手銀は繰り出しにくくなります。
先手銀を５七まで繰り出したら▲６六銀と繰り出すため先手の角は７七に下がります。後手陣形が整い、△４五歩からの角交換を▲同桂ととる意味もあります。
図3から、△４四銀▲２五歩△６四歩▲９八玉△７四歩▲５八金△６三銀▲３六歩△７三桂▲３七桂△７二金(図4)
先手後手ともに陣形を整えていきます。後手は木村美濃、先手は米長玉としていきます。尚、△６四歩に代わって△５五歩からの開戦は、▲同歩△同銀▲同銀△同角▲同角△同飛に▲７七角打で先手が良いです。このタイミングでは後手仕掛けられません。
図4から、▲４八飛△４三金▲４六歩△同 歩▲同 飛△４二角▲６八金△５三角▲８八金△３五歩▲４五歩打(図5)
先手は後手の右桂の活用準備ができれば4筋から仕掛けます。後手4筋の歩を切れば後手から△５五歩突きで銀をさばいてしまうと先手飛車が成り込めるので5筋からは攻められません。後手角を転換して桂頭を狙います。先手は囲いに手を付け手待ち、△３五歩を見て▲４五歩打と銀を追い返していく。
図3から、△３三銀▲３五歩△同 角▲３六飛△３四銀▲７八金△６五歩▲同 銀△同 桂▲１一角成(図6)
後手角が働いてきている。△６五歩は▲同銀と取るよりないが銀損に対して角成+香歩取りなので先手悪くない。図6の陣形差も先手の方が固く、やや先手有利といえる。
図6から、△３三歩打▲２一馬△同 飛▲３五飛△同 銀▲３二角打△７一飛▲４三角成△４八飛打▲６六香打(図7)
先手作った馬を▲２一馬と差し出す。後の▲３二角打を見ているので働いていない飛車-金桂交換で先手のほうが良い。
図7から、△４六角打▲６五香△６四歩打▲５五歩△６九銀打▲５九金打△７八銀成▲４八金△８八成銀▲同 玉△６五歩(図8)
後手攻めるなら△６九銀打だが▲５九金打から飛車を取ってしまう。▲５九金打に対し飛車を逃げるようであれば▲３八歩打で飛車の効きを止めて後手の攻めはとん挫する。
図8から、▲５四歩△５一香打▲１二飛打△５四香▲８五桂打△６二金打▲４七金△６八角成▲９五歩△８四金打▲７七桂△９五歩▲９二歩打△同 香▲９三歩打(図9)
飛車がない後手から先手玉へすぐに迫る手はない。いざとなれば９七の小部屋に逃げ込める。先手▲８五桂打を放っておけば▲７三銀打△同角▲同桂△同玉▲８五桂打で後手玉は寄る。
図9は持ち駒の金を受けに使い、後手から攻める手はない。△同香と取るよりないが▲同桂△同玉▲８五桂打でやはり後手玉は寄り形。
【対中飛車まとめ】
あまり角道を止める中飛車は指されないが一応変化を見ていった。
・他振り飛車同様銀冠に組む。
・角交換の展開が多いため米長玉に組む。
・右金まで囲いにつければ陣形差で先手が優勢。
・先手は桂の効く４筋から仕掛ける。
以上で角交換拒否型の振り飛車編を終わりにする。
おわり
