ネット将棋で勝つ角頭歩の研究

ネット将棋で勝つせだの研究

将棋マイナー戦法の研究です。

【角頭歩戦法】後手から角交換~対角交換四間飛車~

前回記事、前々回記事で後手から角交換(対居飛車)の対応を見ていきました。

後手から角交換~対居飛車角打ち~ - ネット将棋で勝つ角頭歩の研究

後手から角交換~対居飛車持久戦~ - ネット将棋で勝つ角頭歩の研究

今回記事では後手から角交換し、角交換四間飛車としてきた場合の対応を見ていきます。

【後手から角交換~対角交換四間飛車~】 

前々回記事テーマ図から、△4二飛(図1)

後手は△5二飛と振って角交換四間飛車としてきます。

f:id:TOFUtoLEFTBALL:20210425150011p:plain

図1

図1から、▲7八金△6二玉▲6八玉△7二玉▲8七銀△9四歩▲9六歩△8二玉▲7九玉△7二銀▲8八玉(図2)

振り飛車の対策同様先手は銀冠、後手は美濃囲いに囲っていきます。

f:id:TOFUtoLEFTBALL:20210425150308p:plain

図2

図2から、△2二銀▲4八銀△3三銀▲2六歩△4四歩▲7七桂△4五歩▲5八金△3五歩▲7五歩(図3)

角交換四間飛車は△3三銀として△4四銀や逆棒銀の攻めを狙う。四間飛車に対して▲4六歩と突くと4五の地点が争点になるため突かない方が無難。△4五歩に対し▲5八金と上がって4七の地点を固めておく。△3五歩に代わって△4六歩は▲同歩△同飛で▲2五歩△4二飛▲4七銀と繰り出していく。

f:id:TOFUtoLEFTBALL:20210425150932p:plain

図3

図3から、△6四歩▲2五歩△5二金▲6六歩△2二飛▲5九銀△4二飛▲2六飛△3六歩▲同飛△2八角打(図4)

先手は焦らず仕掛ける必要はない。▲8五歩、▲2五歩、▲6六歩と指したい手が多い。逆棒銀を狙って後手飛車が2筋に回れば▲5九銀~▲6八銀と固くしていける。銀が下がったのを見て再び4筋に戻る△4二飛だが、代わって△2四歩なら▲同歩△同銀で良い。▲4四角打など飛車を狙っていけば間の銀が負担になる。

f:id:TOFUtoLEFTBALL:20210425151422p:plain

図4

図4から、▲7六角打△5四歩▲同角△4三金▲7六角△1九角成▲2四歩△同歩▲2二歩打△3五歩打(図5)

後手狙いの△8八角打だが、後手角を手放せば▲7六角打がある。角があれば△5四角打などで受けられるが角がなければ△5四歩で一歩犠牲にするしかない。▲2四歩~▲2二歩で勿論△同銀は▲4三角成~▲3二飛成があるためこの歩をとれない。

f:id:TOFUtoLEFTBALL:20210425151613p:plain

図5

図5から、▲同飛△4六歩▲同歩△3四金▲3六飛△2五金▲2一歩成△3六金▲同歩△2九馬▲1一と(図6)

飛車を金で追われ捕獲されるが守りの金を一枚剥がした形になり、先手悪くない局面となる。お互い桂香を拾って図6は陣形差で先手の方がやや指しやすそうだ。

f:id:TOFUtoLEFTBALL:20210425152024p:plain

図6

図6から、△6三桂打▲4五香打△7五桂▲4二香成△同銀▲4一飛打△5一金▲4二飛成△同金▲5四桂打(図7)

▲4五香打に△5二飛などは▲4三香成で話にならない。後手は歩切れが痛い。飛車打ちから▲4二飛成と銀の方をとり、後手の囲いの金をさらに剥がす。先手は飛車よりも後手の囲いを崩すことに専念する。

f:id:TOFUtoLEFTBALL:20210425152218p:plain

図7

図7から、△6九飛打▲7九歩打△8七桂成▲同 角△7四香打▲6八金打△8四香打▲6二桂成△8六香▲7一銀打△9三玉(図8)

先手の囲いの外から飛車を打っても先手囲いは崩れないため△6九飛と囲いの中から飛車を降ろす。しかし底歩で先手陣形は崩れない。なお、△6九飛打に代わって△5二金は▲6二金打で先手の攻めが続く。後手は香を並べて玉頭を狙うが▲6八金打で先手固く崩せない。狙いの▲6二桂成で後手玉は寄せが見えてくる。△8六香に代わって△7一銀打でも▲同成桂~▲6九金で飛車を降ろせば先手が勝てる。

f:id:TOFUtoLEFTBALL:20210425152343p:plain

図8

図8から、▲7二成桂△7六銀打▲8二銀△8四玉▲8五歩打△同銀▲8九玉△9五歩▲9一銀成△7七香▲同金右△9六歩(図9)

後手玉を囲いから追い出し先手勝ちのように見えるが意外と玉頭は後手の方が制圧しており、すぐには寄らない。とはいえ後手も下手に玉頭を攻めるとカウンターを食らいかねないため端に手を付ける。▲9一銀成と香を取っておけば端の脅威もなくなる。

f:id:TOFUtoLEFTBALL:20210425152640p:plain

図9

図9から、▲8八銀打△8七香成▲同金△9七桂打▲同香△同歩成▲同銀△7五香打▲7六香打(図10)

後手端から殺到するがすでに無理攻めになっている。手順に金銀が前に進めば後手玉は寄る形になる。

f:id:TOFUtoLEFTBALL:20210425153127p:plain

図10

図10から、△同銀▲同金△同香▲同金△9九金打▲7八玉(図11)

後手▲7六香を取るしかないが駒を清算していき▲7六同金で後手玉は寄り。△9九金も取らずに無視すれば何ともない。尚、△9九金に代わって△7四玉は▲7八玉で飛車を取りにいく。ここで焦って▲6二成桂などは▲9九飛打から詰む。

f:id:TOFUtoLEFTBALL:20210425153309p:plain

図11

 図11は6九の飛車をとってしまえば先手玉は危ないところがなくなり、後手玉は詰む形になる。角交換四間飛車に対しては銀冠から固さで負けない将棋を指せば十分に戦えることが分かった。

 

【後手から角交換~対角交換四間飛車~ まとめ】

・後手角交換四間飛車には銀冠に組む。

・隙あらば▲8五歩、▲7五歩と玉頭の位を取ってしまう。

・後手飛車が4筋からどけば△5九銀と陣形を固くしていく。

・固さで勝てば飛車を犠牲にして後手美濃囲いの金を剥がしていけば攻めが続く。

 

次回は後手から角交換して△6五角打から筋違いとしたときの対応について見ていきます。

 

おわり