【角頭歩戦法】序盤駒組み⑤
~△5四角打の対応2~
前回の記事では△5四角打~後手駒組みを進めたときの指し方を調べました。 syougikakutouhu.hatenablog.com
今回は後手が一歩得からすぐに仕掛ける指し方を見ていきます。
【後手一歩得からの9筋端攻め】
図16から△9四歩▲6六歩△9五歩(図22)
前回の記事で
6筋の位(▲6五歩)が取れるなら必ずとること。
と記載しましたが今回は例外です。
仮に図22から6筋の歩を伸ばすと・・・。
図22から▲6五歩△9六歩▲同歩△9八歩(図23)
図23では先手の左香がとられてしまい後手の角成を防げません。
この端攻めは筋違い角でよくある攻め筋で知らないと瞬殺されてしまいますので要注意。
また、△9四歩と突かれたときに▲9六歩と突き返すと後手の攻めが早くなります。(△9五歩▲同歩△9八歩)
後手に一歩持たれたときは9筋を突き返してはいけません。
図22は▲8八金と寄っておくのがよいでしょう。
図22より、
▲8八金△5四角▲3八銀△4二玉▲4八玉△4四歩▲6五歩△5二金▲7八銀(図24)
▲8八金で一度9筋に備えてから▲6五歩をいれます。
△6二銀▲3九玉△1四歩▲1六歩△3三銀▲6七銀△3二玉▲5六銀△2二玉▲4六歩△3二角(図25)
先手は美濃囲いに組み、銀を繰り出して4筋の歩も突いて後手角を圧迫していきます。
図25はまだ互角の局面ですが、▲4六歩~▲4八飛、▲5五銀~▲6四歩、▲2八玉、▲7八金と先手指す手に困りません。
後手は8筋からも攻められず、更に6五の歩が邪魔で角の効きを十分に発揮できていない局面です。
【後手一歩得からの7筋桂頭攻め】
次に図16から後手が7筋の桂頭攻めをしてきたときの指し方を調べます。
図16から、
△7四歩▲6六歩(図26)
先手はとにかく▲6六歩!後手の指し手として
①△5四角⇒先手有利!
②△7五歩⇒互角!
があります。
【 図26から①△5四角】
図26から
△5四角▲3八銀△7五歩▲6五桂(図27)
図27では▲5三桂成が先手。更に▲5五角打が見えている局面。
△5二玉▲4八玉△3三銀▲4六角打△7二金▲6七金△6二銀▲6八飛(図28)
△3三銀は▲5五角に備えた手。代わって△6四歩は▲5五角で1歩取られてしまうだけ。▲4六角打に対して△7四歩打とできないところが後手の泣き所。しかし焦って▲8二角成とはやらない方がよい。飛車をとっても後手陣形に飛車を打ち込む隙は無く、すぐに活用はできない。
図28では
・駒割り⇒▲7五飛と走ってお互い1歩持つ形。
・玉の固さ⇒▲3九玉と入れば先手の美濃は十分固い。後手玉はそこまで固くない。
・飛車角の働き⇒後手は角も飛車も使えないのに対し先手は飛車角攻めに睨んでいる。(後手飛車がいつでもとれる)
上記3点から先手が戦いやすい局面といえます。
【 図26から②△7五歩】
図26から
△7五歩▲6五歩(図29)
図29ですでに後手角が狭くなっている。筋違い角に対しては▲6五歩が突ければ戦いやすい。図29では4一~7一の駒を動かせば▲5五角打から相手の陣形を乱して戦える。
図29から、△3三銀▲6四歩△同歩▲同飛△5二金▲4六角打△6二飛▲8二銀(図30)
図30から、△6四飛▲同角△6六歩打▲6八歩打△4二玉▲4八玉△8二銀▲9一角成△4九角成▲同銀(図31)
図31は互角の局面。△7六歩▲6五桂のような進行が考えられるが、
・駒割り⇒先手が良い
・陣形⇒後手が固い
と微妙な局面。これからの将棋となる。
【△5四角打の対応まとめ】
前回の記事に続き△5四角打ちの変化を見てきました。
△5四角打ちに対し、互角の変化もあるものの極端に先手が悪くなるという局面はないということで締めくくりたいと思います。
先手角頭歩を指しても序盤で潰されることはないでしょう。
次からは先手角頭歩の中盤の指し方について研究していきます。
おわり。