【角頭歩戦法】序盤駒組み④
~△5四角打の対応1~
以前の記事では先手角頭歩に対して後手の△8七角打や8筋強襲が成立しないことを記述しました。
今回は後手が早々に△5四角打として一歩得を狙いにいったときの指し方を紹介します。
※上の記事で紹介した△8七角打ちや8筋強襲とは異なり、△5四角打は悪手ではないので互角の戦いになります。
図2より△5四角打▲7八金△7六角▲7八飛(図16)
後手が7六の歩を取りに来る角打ちです。
たかが一歩されど一歩、この歩はとられると意外と戦いづらいものです・・・。
(筋違い角よりまだマシですが・・。)
図16で後手の選択は
①△5二金などおとなしく駒組み
②△9四歩から9筋を奇襲
③△7四歩から桂頭を狙う指し方
【後手"△5二金などおとなしく駒組み"の対応】
図16より、
△5二金▲6六歩△6四歩▲5八玉△5四角▲3八銀△3三銀▲3九玉△4二玉▲2八玉△3二玉▲1六歩△1四歩(図17)
先手の方針として、
6筋の位(▲6五歩)が取れるなら必ずとること。
▲6五歩がとれれば後手角の効きは一気に狭まります。
後手は位取りを防いで△6四歩と突いてきます。△5二金と上がったのは▲6三角打を事前に防いだ手です。
6筋の歩を突いたら美濃囲いに組みましょう。
図17から
▲6九飛△6二銀▲6八銀△6三銀▲6七銀△7四銀▲5六歩△4四歩▲5五歩△4三角▲5六銀△2二玉▲4六歩△4二金▲3六歩(図18)
図17からの方針は銀、歩を繰り出し後手角を圧迫していくことです。
▲5五歩~▲4六歩~▲3六歩と角の可動域を狭めていきます。
図18はお互い攻める手がなく互角の局面になります。
先手手待ちするのであれば木村美濃に組んでいき、後手の攻めを待ちます。
後手の攻め2つほど紹介します。
【図18から後手の攻め①棒銀】
図18から、
△7五銀▲5九飛△8五歩▲同歩△8六歩打▲6五歩△同歩▲同銀△8七歩成▲同金△6四歩打▲5四歩△6五歩▲7一角打△7二飛▲5三角成△6四銀打(図19)
図19から、
▲6五桂△5三銀▲同桂成△6八角打▲5六飛△6四銀▲4三成桂△同金右▲7六金△2四桂打▲3七銀△6二飛▲5一銀打△5二飛▲4二銀成△同金▲6三金打(図20)
図20まで行けば先手の攻めが早く先手優勢。
ただしこの手順は一例なので覚える必要は一切なし。
ポイントは、以下3つ。
・7四の銀が動いたら6筋を攻めること。
・5筋も絡めて攻めること。
・▲7一角打ちは狙い筋。
【図18から後手の攻め②9筋端攻め】
図18から、
△9四歩▲4七銀△7六角▲3八金△9五歩▲2六歩△9六歩▲同歩△9八歩打▲6五歩△9九歩成▲6四歩△6二飛▲7五歩打△同銀▲6三歩成△同金▲5一角打(図21)
図21で互角に攻めあえば先手陣のほうが若干固いため先手やや優勢。
図21から△6一飛であれば▲4二角成△同銀▲5二金打。
9筋を攻められたら無視して6筋を攻めていくことがポイントです。
今回は△5四角打から後手がおとなしく駒組する指し方を調べました。
次回からは△5四角打の序盤で後手が積極的に動く
②△9四歩から9筋を奇襲
③△7四歩から桂頭を狙う指し方
を考察していきたいと思います。
つづく。
👆のブログで居飛車が角道を開けてこない振り飛車の戦い方を研究しています、興味があればぜひご覧ください。