【角頭歩戦法】後手角交換拒否の指し方~▲6六角を咎めてきた場合~②
前回の記事では後手角交換拒否に対し▲6六角と上がった局面で”①△6五歩と突いて角を追い払う。”として先手の▲6六角を咎めてきた指し方を研究しました。
後手角交換拒否の指し方~▲6六角を咎めてきた場合~① - ネット将棋で勝つ角頭歩の研究
今回の記事では"②棒銀で角頭を攻める。"場合の指し方について研究していきます。
【②棒銀で角頭を攻める】
前回記事図1から、△6二銀▲5六歩△6三銀▲7七桂(図11)
後手銀を繰り出していきますが▲7七桂で角頭を守ります。これで容易に後手銀を繰り出せませんが、下記2通りを見ていきます。
・図11から△5四銀
・図11から△7四銀
【図11から△5四銀の変化】
図11から、△5四銀▲8五歩△同歩▲同飛△同飛▲同桂△7一金▲8二歩打(図12)
後手銀を△5四に繰り出してきたら▲8五歩から開戦します。▲同飛に対して謝るなら6六の角が睨んでいるため△8三歩打となりますがこれでは飛車先の歩を交換して先手十分。
よって飛車交換してきますが先手は浮き駒が桂のみ、角も効いていて先手陣に打ち込みの隙は少ないのに対し後手陣は隙が多くなっています。△7一金で打ち込みを無くしても▲8一歩打で金を吊り上げます。
図12から、△同金▲7三桂成△同金▲8二飛打△7一飛打▲8六飛成△8三歩打▲8二歩打(図13)
後手金を7三まで吊り上げ▲8二飛打。桂取りを受けるなら△7一飛打ですが自陣に成帰って後手の飛車は働かない。なお、△同金を△同桂では▲7一飛打△6一飛打▲8三歩打で先手良い。
図13はまだ互角の局面だが後手の桂取りが受からない、先手のみ龍を作りやや先手指しやすい局面。
【図11から△7四銀の変化】
図11から、△7四銀▲4八玉△6五歩▲5七角△4二玉▲5八金△1四歩▲1六歩△3二銀(図14)
図11からの△7四銀は角頭に銀を繰り出しつつ8筋を受ける手。7四銀型では先手すぐに仕掛けることはできず、持久戦となる。
図14から、▲3八銀△3一玉▲3九玉△4五歩▲8九飛△5二金▲2八玉△3三角▲7五歩(図15)
先手は美濃に囲い後手角の睨みから飛車をよけて▲7五歩で仕掛ける。なお、図15ではお互い美濃に組んでいるが、下記2点から先手の美濃の方が固い。
・コビンの△4五歩が浮いている。将来▲4三桂打などもある。
・左銀が後手は守りに参加していない。
図15から、△6三銀▲6五桂△6四銀▲6六歩△7五銀▲6七銀△6三金▲3六歩△5四金(図16)
6八銀は繰り出す経路がなかったが▲6五桂跳ねから一歩得し、▲6六歩~▲6七銀で銀を繰り出しながら桂取りを受ける。後手このままでは攻めが続かないため金を繰り出し6五の桂を狙いに行く。
図16から、▲3七桂△6四銀▲2六歩△2二玉▲2七銀△8五歩▲同 歩△8八歩打▲同飛△6五銀(図17)
後手先手が銀冠に組む瞬間に△8五歩~△8八歩打~△6五銀と先手飛車を角のラインに入れてから桂を取るのが狙い。しかしこの瞬間反撃の手がある。尚、銀冠に組む瞬間に狙われるのを嫌えば▲2七銀に代わって▲4八金~▲2七銀と組めば隙は少なくなる。
図17から、▲1五歩△同歩▲1二歩打△同香▲1三歩打 △同香▲2五桂△4四角▲1三桂成△同桂▲1四歩打(図18)
先手桂は取られるが無視して持ち駒の歩3枚で端攻めに入る。後手角の位置が3三となり、▲2五桂跳ねの当たりとなる。△6五銀は▲同歩とはとれないがほっておいても次の手がない。
図18は端から攻め潰し先手優勢。後手は桂取りを受ける手はないので早逃げくらいしかできない。
【②棒銀で角頭を攻める まとめ】
棒銀を繰り出してきても、先手歩が▲8六歩にいるため
・△5四銀は▲8五歩突きから先手飛車を捌かれる。(8五の地点に桂がきいてる)
・△7四銀は△6五歩から角を追いやれるが、8五の地点に先手の桂が効いてるため8筋から攻められず後手繰り出した歩越し銀が遊ぶ。
以上より▲6六角を棒銀では咎められないといえるでしょう。▲7七桂が角頭を守りつつ8五の地点にもきくため、8六歩と突いてあるのと相性が良いのです。
次は③△4五歩として角交換を狙う。についてみていきます。
つづく。