【△３二銀戦法】飛車先交換後早繰り銀
今回は△３二銀戦法(後手メイドシステム)に対し、先手早繰り銀に構え、後手から先に仕掛ける変化を見ていく。
初手から▲７六歩△３二銀▲２六歩△４四歩▲２五歩△４三銀▲２四歩△同 歩▲同 飛△３二金▲２八飛△２三歩打▲３八銀△５四歩▲３六歩(図1)
図1までの進行は前回同様。
図1から、△８四歩▲３七銀△８五歩▲７七角△３一角▲８八銀△６二銀▲６八角△７四歩▲７七銀△７三銀(図2)
後手が８筋の歩を伸ばし、先手は矢倉を組んで受けてくる。後手には△６四角で先手飛車のコビンを狙う手があるため、先手からは簡単に仕掛けられない。例えば、▲６八角に代わって▲４六銀と出ても、
△７四歩▲３五銀△７三桂▲５八金△８六歩▲同 歩△６五桂▲６六角△８六角▲４八玉△３四歩(参考図1)
参考図1で先手の形を乱しつつ銀を追い出せる。参考図1から▲２四歩は△同歩▲同銀△６四角で▲３七桂は△８八飛▲同角△３七角成▲同玉△４五桂で先手の失敗となる。
図2から、▲７八金△４一玉▲５六歩△５二金▲６九玉△７五歩▲同 歩△６四銀▲７四歩△７二飛▲４六銀△７四飛▲６六銀△７三桂(図3)
後手は△４一玉～△５二金まで組めれば自陣の整備は十分。後手番にも関わらず先手の矢倉が完成しないまま△７五歩から仕掛けられる。△６四銀で次に△７五銀と出られれば角銀交換が免れないので▲７四歩と突き越すが、△７二飛～△７四飛～△７三桂で後手は攻守共に好形を組めている。
図3から、▲３五銀△５五歩▲同 歩△６五銀▲７五歩打△９四飛▲２四歩打△同 歩▲同 銀△５六歩打▲５八金△６六銀▲同 歩△７五角(図4)
図3まで組めれば後は攻めていくだけになる。先ずは△５五歩から▲４六角を消して△６五銀で銀をぶつけていく。▲同銀は後手の攻めに勢いがつくので▲７五歩と飛車取りに当てる。飛車を逃げている隙に▲２四歩打で攻め込むが、銀を２四まで引きつけたところで△５六歩打。▲５八金に代わって▲２三銀成と攻め込んでも、△２二歩打(参考図2)で先手の攻めは続かない。よって▲５八金と受けてくるが、それでも△６六銀～△７五角で後手の攻めが続く。
図4から、▲６七銀打△７七歩打▲同 金△５七銀打▲７九角△８六歩▲同 歩△６五桂▲同 歩△８八歩打▲５七金△同 歩成▲８八飛(図5)
図4から△６六角となれば馬成りが受からないため、先手は▲６七銀打で受けてくる。△７七歩打に対し、▲同桂は△７六歩打、▲同角は△６五桂なので▲同金と取る一手(▲同金に対して△６五桂は▲７六金で角取りに当てられる)。
△５七銀打に▲同金(or▲同角)は清算してやはり△６五桂があるためこの銀は取れない。▲７九角と下がるが△８六歩▲同歩を入れてから△６五桂。７七の金を避ければ５筋の攻めが止まらない。
よって▲６五同歩と取るよりないが、８筋突き捨ての効果で△８八歩打が入る。桂取りの次に角取り+王手となるので無視できないが、▲同角は△５八銀▲同飛(or▲同銀)△５七歩成(参考図3)が入る。▲５七金～▲８八飛で歩を払うのは先手として苦渋の選択となる。
図5から、△６七と▲同 金△３九角成▲８五銀打△２九馬▲９四銀△４七馬▲７八玉△９四歩▲７一飛打△５一歩打(図6)
図5からは△６七とから馬を作り、寄せていく。後手陣を崩すためには飛車がなければ話にならず▲８五銀打から飛車を詰ましてくるが、飛車を降ろされても△５一歩の底歩で後手陣は安泰となる。
図6は先手飛車を降ろすものの持ち駒が桂歩では攻めが続かない。一方後手は金銀銀桂歩と攻めに困らず、図6は後手がはっきりと優勢といえる。
原始棒銀以外は△３二銀戦法(後手メイドシステム)側が引き角棒銀に構え、基本的に先に仕掛けることができる。
おわり
