【角換わり筋違い角】対腰掛銀～△５五銀～
今回記事では角換わり筋違い角に対して腰掛銀から△５五銀と角を追い払ってくる変化を見ていく。
【角換わり筋違い角】対腰掛銀～持久戦～ - ネット将棋で勝つせだの研究
上記記事で角換わり筋違い角に対して後手持久戦の変化は先手からUFO棒銀で攻め込み先手が有利となった。
今回からは後手から仕掛けてくる変化を見ていく。
上記記事図2から、△５五銀▲７八角(図0)
今回記事では上記記事図2の後手が腰掛銀から△５五銀で先手の中央で威張った角を追い払う作戦を取ってくる変化をみていく。これには▲７八角と引く一手。
図0から、△４二玉▲３六銀△４四銀▲４六歩△５二金▲５八金△１四歩▲１六歩△７四歩▲４五歩△５五銀(図1)
先手の方針は変わらずUFO棒銀となり、真っ先に▲３六銀と繰り出す。△４四銀で次の▲３五銀を防ぐが、△４四銀に代わって△７四歩等は▲３五銀で２筋から攻めていける。
よって△４四銀と引くしかないが、先手はこの銀を狙い▲４六歩～(途中端歩と▲５八金が入るが)▲４五歩と４筋の歩を伸ばす。
途中△５四歩を入れて△５三銀と引いてきても▲３五銀でやはり２筋から攻める。むしろ攻めの銀が引いてくれて先手としてはありがたい。
図1から、▲５六歩△６六銀▲同 銀△８六歩▲同 歩△８八歩打▲７七桂△８九歩成▲２四歩(図2)
▲５六歩に△４六銀は▲４八飛で銀がタダで取れてしまう。△６六銀でも一見銀がタダだが、空いた８筋で△８六歩～△８八歩打が入る。
なお、△８六歩には一見△３九角のほうが勝りそうだが▲４八飛と飛車を差し出して先手が良い。△４八同角▲同玉で飛車と角銀交換の2枚替えとなり、先手陣に飛車の打ち込む場所がない。
よって本譜８筋から攻めてくるが、△８八歩打には▲７七桂と逃げてから△８九歩成に▲２四歩と２筋の歩を突き捨てておく。
図2から、△同 歩▲９六角△８六飛▲８七歩打△８四飛▲８五銀打△８二飛▲７四銀△９九と▲６三銀成△５一金(図3)
５六、４五に先手の歩が並んでおり角を活用できない。▲９六角と上がる手が角を転換しつつ８筋の飛車を受ける手になる。
即ち△８六飛に▲８七歩打で飛車を成り込ませない狙い。△８四飛に代わって△７六飛は▲６七金で飛車が捕まるし、△８二飛は▲２二歩打△同金▲７四角△８七飛成▲４四歩△同歩▲３一銀打(参考図1)が厳しい狙いになる。
よって本譜△８四飛で歩に紐を付けてくるが、▲８五銀打～▲７四銀～▲６三銀成で手順に銀を繰り出していける。
図3から、▲２二歩打△同 金▲５五銀△８八角打▲６八金上△９七角成▲８五角△８四歩打▲７四角△７一香打(図4)
▲２二歩打が２筋突き捨ての効果で後手陣を悪形にさせる手筋の歩となる。▲５五銀で△３九角打の両取りを消しつつ▲６四銀からの攻めも見せている。
後手から手を作るなら△８八角打ちくらいだが▲６八金上で桂馬を抑えておく。△９七角成も▲８五角で飛車先を止められる。
一見△８四歩打～△７一香で角が捕まり先手困っているようだが、これには図4以降で切り返しがある。
なお、△８四歩打に代わって△８三香打は▲７四角(参考図2)で、
△８八香成は▲８三歩打
△７三歩打は▲７二成銀△同飛▲８三角成
で先手が良い。
図4から、▲６五桂△７四香▲５三桂成△３一玉▲４三成桂△７九馬▲６九金△９七馬▲４八玉△８七馬
図4で角が捕まるようだが▲６五桂が切り返しの一手。△７四香に代わって△６五同歩は▲同角で角を救出して▲４四歩の玉頭攻めが残る。
よって本譜△７四香で角を取るが▲５三成桂～▲４三成桂で後手玉の上部から迫れる。
後手△７九馬で先陣に踏み込んできても▲７九金で追い返し、▲４八玉と右側に逃げれば安泰となる。
図5から、▲６八金△７六馬▲５三成銀△４七歩打▲同 玉△４六歩打▲同 玉△５二歩打▲５四成銀(図6)
図5からはお互い攻め駒が不足し、後手歩を連打して先手を乱すが、丁寧に対応して図6の局面となる。
図6は先手玉は安全、後手玉は狭いというリードは取っているが、先手持ち駒に歩しかなく決め手に欠けるところ。対して後手は将来△７七香成などの攻めもあり、持ち駒の角が主張。図6は互角の局面といえる。
以上より先手角換わり筋違い角に対して腰掛銀から△５五銀で角を追い払う変化は互角以上で戦えることが分かった。
ポイントは主に以下の3点となる。
・先手はUFO棒銀で攻めていき、△４四銀と引けば４筋の歩を伸ばし銀を追い払う。
・２筋の歩は突き捨てて▲２二歩打で後手陣を乱す。
・後手の８筋からの攻めは▲９六角～▲８七歩打で受け切れる。
おわり
